手術について

健康診断や診療において外科手術が必要となった場合でも、当院が責任を持って対応いたします。

一般外科・整形外科・眼科・歯科・口腔外科などの外科手術は、特殊な症例を除けば院内で対応可能です。
外科手術のキャリアを積んだ獣医師が、安全面に十分注意しながら行いますので、安心してお任せください。

手術内容

一般外科

ヘルニア(臍・会陰・鼠径)

体にある穴に臓器が入り込み、その部分が膨らんだ状態になっている病気です。
俗にいう“でべそ”は、「臍ヘルニア」といい、臍に腸などが入り込んだものです。
「鼠径ヘルニア」は、足の付け根に腸が入り込むもので、“脱腸”ともいわれます。
また「会陰ヘルニア」は、肛門の左右のいずれかに臓器が入り込む病気です。
これらの飛び出した臓器を元の位置に戻し、筋肉の隙間を防いで入り込みを防止します。

停留睾丸・睾丸腫瘍

一般的に陰嚢の中にある睾丸が、腹部や鼠蹊部にとどまっている状態を「停留睾丸」といい、精巣が腫瘍化するリスクがあります。
また、睾丸に腫瘍ができて肥大している場合にも、睾丸を摘出する手術を行います。

誤飲・胃や腸の腫瘍・腸管閉塞

異物を誤って飲み込んでしまった場合、体外に排出されにくい大きさのものや、尖ったものの場合は、腸管に詰まったり(腸管閉塞)、胃や腸を傷つける場合があります。
このような場合は開腹手術を行い、異物を取り除きます。異物の大きさや形によっては、回復手術ではなく、内視鏡での摘出も可能です。

皮膚腫瘍

体表の皮膚に腫瘍ができる病気です。外科手術で腫瘍を切除します。

乳腺腫瘍

乳腺に腫瘍ができる病気です。
外科手術で腫瘍がある側の乳腺を全摘出します。さらに転移を防ぐためにリンパ節の切除も行います。

結石(膀胱・尿道)・膀胱腫瘍

膀胱や尿道に結石ができると、頻尿や血尿の症状が現れ、時には排尿が困難になります。
結石はネコちゃんに多く見られる病気です。
膀胱腫瘍は、膀胱内にできたがんのことで、放置すると尿路閉塞などを起こします。
結石の場合、小さな石なら自然に排出されることもありますが、大きかったり尖っている場合は外科手術で取り除きます。
膀胱腫瘍は腫瘍部分を切除します。

脾臓腫瘍

脾臓は、胃の裏にあって異変が見つけにくく、腫瘍ができやすい臓器です。脾臓の腫瘍は外科手術で腫瘍部分を切除します。全摘出をしても生存は可能です。

子宮蓄膿症

高齢のワンちゃんに多く見られる病気です。子宮の中に膿が溜まり、早急に処置しなければ命に関わります。
外科手術で膿がたまった子宮と卵巣を摘出し、抗生物質で腹腔内を洗浄します。

子宮および卵巣の腫瘍

子宮や卵巣に腫瘍ができる病気で、避妊手術で予防が可能です。
腫瘍ができてしまった場合は、開腹手術で子宮や卵巣の全摘出を行います。

整形外科

椎間板ヘルニアや、関節、靭帯の損傷、骨折などに対して、外科手術を行います。

眼科

眼瞼腫瘍や、眼瞼の内側の腺が肥大して赤く飛び出す「チェリーアイ」と呼ばれる第三眼瞼などについては、切除手術を行います。
※白内障の手術を希望の方は、専門医を紹介いたします。

歯科・口腔外科

進行した歯周病に対しては、歯茎を切開して歯と歯茎の中を洗浄します。
また口腔内にできた腫瘍については摘出手術を行います。

手術の流れ

1診察・診断

ワンちゃんやネコちゃんの全身状態を診察し、病気の進行具合や将来的なリスクを踏まえて、手術が必要かどうかを診断します。

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2飼い主さんへ診断内容をご説明

手術が必要と診断した場合は、飼い主さんへ手術の目的や内容などを詳しくご説明いたします。
手術を行うにあたってのリスク、行わなかった場合のリスクも両方お伝えして、ご意見をお伺いいたします。
この際、不安な点や気になることがありましたら、遠慮なくご質問ください。

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3術前検査

手術をする方向性で決まった場合は、ワンちゃんやネコちゃんが実際に手術ができる状態なのかどうか、術前検査を行います。
血液検査やレントゲン、エコー検査によって、現在の状態を把握し、より安全に手術が行えるよう準備を行います。

手術が困難と診断された場合

腎疾患のあるペットについては麻酔のリスクがあるため、腎臓の治療を優先する場合があります。その他、中性脂肪やコレステロール値などが高い場合も、値を低下させる治療を行うことがあります。

手術の流れ

4手術に関してのご説明

手術をすることが決定した場合には、あらためて飼い主さんに手術内容や手術に伴うリスク、術前術後に気を付けること、料金などについて詳しくご説明いたします。

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5手術前日

基本的に絶食・絶水をしていただきます。
ワンちゃんやネコちゃんの年齢や全身状態に応じて、当院からご指示いたします。

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6手術当日

朝にワンちゃんやネコちゃんを連れてきていただきます。
当日も血液検査などを行い、最終チェックをしてから手術を行います。

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7術後の入院

術後の管理のため、1週間程度の入院が必要となります(手術内容によって入院期間は異なります)。

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8抜糸(入院中もしくは退院後)

術後1週間から10日間ほどで抜糸をします。入院中に抜糸ができなかった場合は、後日、抜糸のためにご来院ください。

ご家庭での術後ケア

抜糸が終っていても、傷口に大きな力が加わると、傷口が開いて出血するなどの恐れがあります。退院後1週間は、ワンちゃんやネコちゃんが安静にするよう気を付けてください。
また、シャンプーなどは抜歯後10日を過ぎてから行うようにしてください。